おっ、このレンタルサーバー会社のサーバーの稼働率99.99%って、すげえじゃねえか。
これだけ安定しているなら大丈夫そうだし、このレンタルサーバー会社のサーバーを借りるか。
ちょっと待って。
なんだ、なにかまずいことでもあるのか?
君は「稼働率99.99%」を過大評価しすぎだよ。
どういうことだ?
レンタルサーバー会社が、当社のサーバーは安定稼動しているから大丈夫なことをアピールする時によく使われる、「稼働率99.99%」という言葉。
しかし、「稼働率99.99%」はレンタルサーバー会社としては当たり前の数値でしかなく。
むしろ「稼働率99.99%」を未満だと、サーバーの安定稼動において問題があると言わざるを得ません。
では、なぜ「稼働率99.99%」未満だと、サーバー安定稼動に問題があるのか?
そこでこの記事では、以下のことをまとめました。
この記事で紹介すること
- 「サーバー稼働率」とは
- レンタルサーバー会社の「稼働率」の計算方法
- 「稼働率99.99%」と「稼働率99.9%」のおどろくべき安定性の違い
- 本当に安定稼動しているレンタルサーバーの選び方
ざっくりとした解説ではありますが、これさえ読めば「稼働率99.99%」の言葉にだまされず、本当に安定稼動しているレンタルサーバー会社を選べるようになれますよ。
稼働率の意味
そもそも、サーバーにおける「稼働率」って、具体的にはなにを意味するんだ?
サーバーにおける「稼働率」は、サーバーが故障せずに動き続けている割合を意味します。
つまり、サーバーの「稼働率」が高いほど、サーバーは安定した稼動ができていることになります。
そして、サーバーの稼働率は以下の計算式で求められます。
例えば、1ヶ月における、サーバー1台の稼働率を求めるとこんな感じになるよ。
さて、この例だと1ヶ月のうちに1時間でも稼動していない場合、「稼働率」はどうなっているかな。
あっ、「稼働率」が99.9%にもなっていないぜ。
そうなんだよ。「稼働率99.99%」を達成するためには、1時間の故障時間さえ厳しいことが分かってもらえると思うよ。
でも、1ヶ月に1時間くらいサーバーが停止していても、それはしょうがないんじゃないか?
その考えは甘いよ。例えば次のような場合だったらどう思う?
1時間のサーバーの停止で起こる損失
- 1日で2400人以上見に来てくるサイトなら、その日サイトを見てくれる、100の人を諦めることになるよ
- 1日3時間しかサイトの更新作業に使えない人なら、3分の1の作業時間を諦めることになるよ
- アフィリエイト・アドセンス収入で1日で24000円以上稼いでいるなら、なにもせずに1000円以上損することになるよ
こう考えたら、1時間サーバーが停止するって結構損失があると思わない?
確かに、例の1つめの100人見に来てくれる人を諦めるのなんかは、サイト初心者の俺には重く感じるぜ。
今回、例にあげた「1時間のサーバーの停止で起こる損失」は、比較的サイト規模が小さいレベルで行ったときを想定しています。
もし、サイトの規模がもっと大きくなって1日に10000人以上のユーザーが見に来てくれるレベルになると、サーバーが1時間停止してサイトが閲覧できなくったときの被害もより甚大なものになります。
また、サーバー停止してサイトを閲覧できなくなることは、ユーザーからの信頼度が下がります。
なぜなら、借りているサーバーが故障して止まっているか、運営者のミスでサイトが閲覧できなくなっているかをユーザーは知ることができないからです。
特に初見のユーザーなら「なんでこのサイト見れないんだよ」と、こちらのサイトに多少なりの不快感を持ったまま次のサイトなりを閲覧しに行くでしょう。
自分のせいでサイトが閲覧できなくなったわけではないのに・・・
こう考えると、1時間サーバーが停止してサイトが1時間も閲覧できないことで発生する損失の重みが感じられるのではないでしょうか。
ですので、0.0001%でも高い稼働率を維持しているレンタルサーバーを選ぶ必要があるのです。
レンタルサーバー会社の稼働率の計算方法について
レンタルサーバー会社で出ている稼働率の計算も
この計算式に基づいて算出しているのか?
その考えで間違ってはいないよ。
ただし、レンタルサーバー各社の稼働率の計算では、故障時間の違いとサーバー台数が関わってくるよ。
どういうことだ。
レンタルサーバー各社で故障時間の含め方が違う
レンタルサーバー会社によって、サーバーがどの程度の故障なら故障時間に含めるかの基準が違います。
もう少し簡単言えば、「サーバーが少しでも正常に動作できなったら故障とみなす」か「サーバーが動作しなくなったら故障とみなす」かの違いです。
例にある、Cレンタルサーバー社のような故障の考え方は大げさに書いていますが、どのレベルを故障とみなすかでこちらが受ける損失の度合いも大きく変わってきます。
この例を見ると、サーバー停止まで行かなくても故障とみなすんだな。
そうだね。サーバーを借りているユーザーから見れば、少しでも正常に動作しなくなった時点で故障と思うのは当然だからね。
だから、完全に動作が止まってサーバー停止になることは、ほとんどないよ。
なるほどな。レンタルサーバー会社も頑張ってるんだな。
そうだね。でも人の手でいくら注意深く運用していても、急な故障なんかでサーバーが完全停止する可能性はあるのは覚えておいてね、
サーバーが故障する原因
サーバーが故障する原因って、どんなのがあるんだ。
サーバーが故障する原因は大まかに分けると4つあるよ。
サーバーの故障原因
- クラッカーによるDDos攻撃など、サーバーに対する攻撃を受ける
- サーバーに搭載されている、CPU・メモリ・ハードディスクが故障する
- レンタルサーバー利用者が、サーバーに対して大きな処理をずっと行わせて負荷を与え続ける
- 運用担当者がサーバー設定をミスる
上記の2~4番目については、レンタルサーバー会社も厳重に監視・チェックして未然に故障を防いでいるので、2~4番目が原因でサーバーが停止したりすることは少ないです。
しかし、上記の1番目の「クラッカーによるサーバー攻撃」については、レンタルサーバー会社の力だけでは完全に防ぐことはできません。
ですので、「クラッカーによるサーバー攻撃」の影響でサーバーが故障するのが、現実的には1番の故障原因といえます。
レンタルサーバー会社はプロなんだから、クラッカーの攻撃なんて防げないのか?
クラッカーにもすごい技術力と知識を持ったプロから攻撃されたら、サーバーを停止させられる事態になるケースは十分にあります。
また、クラッカー側は、レンタルサーバーを利用しているユーザーが知らずに作ってしまった脆弱性も狙ってくるので、レンタルサーバー会社の努力だけで防ぐのは難しいと言わざるを得ません。
それでも、日々セキュリティを向上させ。僕たちに安全にサーバーを提供してくれるレンタルサーバー会社に「ご苦労様です」と言える気持ちをもちたいですね。
サーバー台数も稼働率の計算に入る
各レンタルサーバー会社では数1000台~10000台以上のサーバーを稼働させています。
これが、さくらインターネットなどの国内有数のレンタルサーバー会社であれば20000台以上は確実でしょう。
10000台を超えるサーバーを稼働させていれば当然、数台はひどく故障して復旧に何時間もかかるサーバーも出てきます。
しかし、10000台を超えるサーバーのうち故障した数台のサーバーを基準に稼働率を計算していたら、稼働率99.9%を維持するのも難しいでしょう。
そこで、レンタルサーバー会社では現在稼動している全サーバーを加味して稼働率を算出しています。
なるほど。レンタルサーバー会社の稼働率は稼働している全サーバーで算出しているんだな。
レンタルサーバー会社からすれば、この稼働率の算出方法は当然なんだけど、この算出方法にはレンタルサーバーを利用するユーザーにとってはデメリットもあるよ。
どういうことだ?
例えば、サーバーを10000台を1ヶ月稼働させた場合、故障時間が何時間までなら稼働率99.99%を維持できると思う。
うーん、10時間くらいか?
答えは、720時間だよ。
そんなに故障している時間があっても大丈夫なのかよ。
実際に計算してみると、こんな感じになるよ
稼働しているサーバーの台数に比例して故障時間が増えても、高い稼働率を維持できます。
先の例で言えば、10000台のサーバーを稼働させているなら1ヶ月で720台のサーバーが1時間故障しても稼働率99.99%以上になります。
ですので、レンタルサーバーを借りるユーザーの視点から見た場合。
サーバーを多く稼働させている大手レンタルサーバー会社ほど、高い稼働率が求められます。
つまり、同じ稼働率99.99%でも。1000台しか稼働させていないレンタルサーバー会社と10000台稼働させているレンタルサーバー会社では全く違うってことだな。
そういうことだね。
稼働率99.99%と99.9%の大きな違い
レンタルサーバー会社の稼働率の計算の仕組みも紹介したので、今度は稼働率99.99%と99.9%がどれだけ違うかを見てみよう。
そんなに差が出るのか?
結論だけ言うとすごく大きな差があるよ。
■サーバー10000台を1ヶ月稼働させている場合、稼働率99.99%と99.9%を維持するために許される故障時間は下記の通りです。
稼働率99.99%の場合:故障時間は720時間まで許される。
稼働率99.9%の場合:故障時間7200時間まで許される
もう少し簡単に言えば。
稼働率99.99%だと、サーバー720台が1時間ずつ故障しても大丈夫。
稼働率99.9%だと、サーバー7200台が1時間ずつ故障しても大丈夫。
こうなります。
この例で見れば、確かに稼働率99.99%と99.9%って大違いだな。
そうだね。だから稼働率99%や99.9%までしか保証されていないレンタルサーバーは安定性において疑問を抱かないといけないわけだね。
安定稼動しているレンタルサーバーを選ぶには
今までの話で「稼働率99.99%」が、サーバーの安定稼働において当たり前なのは分かってきた。
そうなると、稼働率以外でレンタルサーバーのサーバーが安定稼働しているかを確認する方法はないのか?
僕たちユーザー側からは、以下の確認方法があるよ。
サーバーが安定稼働しているか確認する方法
- 小数点第4位くらいまでの稼働率はどうなのか、レンタルサーバー会社に問い合わせてみる。理想の稼働率は99.9999%以上
- 各レンタルサーバーのホームページやTwitterで、サーバーの障害情報を確認してみる。
- 利用しているユーザーの口コミ・評判などを確認してみる。
一番理想の確認方法は1番目ですが、レンタルサーバー会社によっては回答が得られない場合もあります。
ですので、簡単に確認するにはレンタルサーバーの障害情報と利用しているユーザーの口コミ・評判で確認するのがオススメです。
ただし、サーバー障害情報については、障害情報の数よりも障害の中身の方がずっと大事だよ。
なんで障害の中身の方が大事なんだ?
レンタルサーバー会社によって、どの障害規模ならホームページやTwitterに掲載される基準も違いますし、稼働させているサーバーの数によっても違ってくるからです。
ですので、何時間もサーバーが停止していたり、ユーザーが自分のサイトを閲覧できない障害が頻発していないかを障害情報から見てみるとよいでしょう。
利用しているユーザーからの口コミ・評判は、借りているサーバーや自分のサイトが閲覧できなくなった時の情報が乗りやすい。だからある意味レンタルサーバーの公式情報より頼りになるよ。
稼働率はレンタルサーバーが安定して動き続ける指標となるので、レンタルサーバーを選ぶ上で非常に大切な要素となります。
そして、「稼働率99.99%」聞くと、すごく安定して稼働しているように見えます。
しかし、「稼働率99.99%」は最低限の稼働率でしかありません。
ですので、「稼働率99.99%」の言葉だけで安定して動くレンタルサーバーだと判断しないようにしましょう。
サーバーの安定稼働については、稼働率・ユーザーの評判・レンタルサーバー公式の障害情報などのいろんな情報から判断できるようにするのがオススメだよ。
なるほど。1つ情報だけでなく、いろんな情報から判断するのが大切ってことだな。
本当にその通りだね。
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