ある程度の制約があっても、出来ることなら長期間(数ヶ月以上)VPS(仮想サーバー)を無料で利用したいと思う一方で。
長期間VPSを無料で利用させてくれるところなんて存在するのかよっ?
もし、VPSを無料で長期間利用できたとしても、実はとんでもないデメリットがあったりしそうでとても不安なんだがっ!
このように「そんなうまい話が、そうそうあるわけないっ!」と思われるのも当然かと思います。
そこで今回は制約こそありますが、特に大きなデメリットもなく、VPSを無料で使わせてくれるところを国内海外問わず紹介します!
お試しレベルの軽い処理だけしかするつもりがない代わりに、問題なくVPSを長期間無料で使いたい人はぜひ確認してみてください。
GCP-GCEというVPSを永久無料で利用できるサービスがある
GoogleにはGCP(Google Cloud Platform)という、Googleのサーバやストレージを使用させてくれるサービスがあり、そのサービスの中にGCE(Google Compute Engine)というVPSサービスがあります。
このGCEサービスは条件さえ満たせば、VPSを永久無料で使い続けられる永久無料枠があるため。条件さえ守って使い続ければ、ずっとVPSを無料で使い続けられます。
GCEの永久無料枠でVPSを使う条件
GCEを永久無料枠で使う続けるための条件を分かりやすくまとめると、以下の通りとなります。
- 使えるVPSのスペックはf1-micro(CPU1個のメモリ600MBで、サーバの場所はアメリカ)
- 30GBのHDDディスクが利用できる(SSDは残念ながら利用できない)
- 合計5GBまで、作ったVPSのインスタンスをスナップショット(使っている環境やデータをそのまま)を保存できる
- 転送量は1ヶ月1GBまで(ただし、利用しているGCEへのアップロードは転送量に含まれない)
GCEの料金ページより抜粋
さらに、上記図にはのっていませんが、GCEの永久無料枠を利用するためにはGCPのアカウントが必要となり。そのアカウントの作成には、名前や住所、クレジットカードかデビットカードの支払登録が必要となります。
■GCPアカウント作成画面
通常VPSは有料が基本なのに登録さえすれば、後は無料で使えるとなると「デメリットがあるんじゃないか?」と、どうしても疑ってしまうが普通でしょう。
しかし、GCP-GCEサービスの運営はGoogleであるうえ、公式サイト内に無料で使うための条件もこのようにしっかりと明記されているため。
今回紹介するVPSを長期間無料で使えるサービスの中では、1番信頼できるサービスとなります。
無料枠の利用ではないけど、任天堂・ANA・ソニーといった大企業もGCPを利用していから、間違いなく信頼できるよ!
■GCPサービスを利用している企業
転送量の条件については注意が必要
転送量が1ヶ月1GBまでの条件は、サイトやブログ、MT4などのメタトレーダーを常時運用していると、転送量の上限をあっさりと超えてしまうので注意が必要です。
しかし、転送量を超過しても、1GBあたり$0.12(約13円)の従量課金となるだけなので、よほど度を越した使い方をしない限り。月に1万円を超える転送量の超過料金を払うことはないでしょう。
もし、サイトやブログの運営してたら、どれくらい転送量の超過料金が必要になるんだ?
当然アクセス数によって変わってくるけど、月間1万PVで約400円、月間10万PVで約4000円くらいの転送量の超過料金が必要になるよ!
転送量についての説明と、アクセス数に応じたサイト・ブログにおける転送量の計算方法については、以下の記事で説明しているので参考にしてください。
GCEのVPS無料枠でサイトやブログの運営はおすすめできない
ここまで読んで、GCEのVPS永久無料枠でアフィリエイトサイトやブログの運営を考えようと思われた方もいるかと思いますが、それは全くおすすめできません。
なぜなら、サーバーがアメリカにあって、サーバーディスク・CPU・メモリのスペックが低すぎるため。作ったサイトへアクセスしてからの表示が遅かったり、少数の同時アクセスでサイトが落ちてしまうからです。
正直、日本国内向けのサイトやブログをやるなら。
はてなブログを利用するか、レンタルサーバーを借りてWordPressでサイトを作って運営する方が、アクセス数も収益も断然伸ばせるから、おすすめだよ!
やっぱり、無料でアフィリエイトサイトやブログを作って稼ごうとするのは、甘い考えだったってわけか。
そうだね。GCEの永久無料枠でサイトを作るなら、個人趣味や勉強目的のサイトレベルに留めておくのが無難だよ。
海外FX業者のVPSなら条件付きで永久無料となる
XMやTraders Trustなどの海外FX業者でも、利用者達にMT4/5などのメタトレーダーを常時動かすための環境として、Windows環境のVPSを無料で使うサービスが用意されています。
ただし、どの海外FX業者でも無料VPSを使う条件として。
- 口座を開設して一定の金額を入金する
- 1ヶ月で一定金額の取引を行う
などの条件があります。
さらに、海外のFX業者を対象にしたメタトレーダー用のVPSなので、サーバーは当然国内ではなく海外のものとなります。
なるほど。海外FX業者と効率よく取引するために、無料VPSを用意しているってことか?
その通りだよ。だから、webサーバー(サイトやブログ)やゲームサーバーなど、他の目的として満足の行く利用をするのは難しいよ!
利用しているVPSの1ヶ月の転送量がメタトレーダーを常時動かす常識の数値を大幅に超えていたり。マイニングやプロキシサーバーとして利用していると、業者から強制的に利用停止となることがありますので、注意が必要です。
ただし、サーバーは海外にあるので、国内のVPSではなかなか難しい、海外FX業者との素早いアクセスを可能としたメタトレーダーを利用できるうえ、ずっと無料で使えるため。
海外FX業者とメタトレーダーを使って取引するなら、これ以上便利なVPSサービスはないでしょう!
XM(XMTrading)
XM(XMTrading)は海外FX業者の中でもトップクラスの人気を誇り。
運営歴10年にして、新規口座開設数100万人突破している、日本人トレーダーからも1・2争う程人気のあるFX業者です。
XMでは、以下の条件を満たしていれば、ずっと無料でVPSを使い続けることが出来ます。
- 口座を開設して、5000ドル以上の口座残高を残す
- 毎月5Lot(30万通貨)以上の取引を行う
また、利用できる無料VPSのスペックは以下の通りとなります。
項目 | スペック内容 |
---|---|
データセンター | イギリス(ロンドン) |
メモリ | 1.5GB |
CPU | 600 MHZ |
サーバーディスク | 20GB(HDD) |
OS | Windows Server 2012 |
サポート | BeeksFX |
GCP-GCEの無料VPSよりはスペックが高いけど、OSがwindowsということもあって、webサーバー目的では使用しにくいよ。
たしかに、MT4/5のようなメタトレーダーツールを使うのが目的のVPSって感じだな!
また、XMの取引所自体がVPSを利用できるサーバーから1.5kmと近い位置にあるため。このVPSを利用してXMと取引すれば約定力の大幅向上が期待できます。
だから、XMとメタトレーダーを使った取引するなら、XMの無料VPSサービスは本当におすすめできるよ。
Traders Trust
Traders Trustは無料VPSは3プラン用意されており、それぞれ条件を満たすことで上位プランの無料VPSを利用できます。
プラン | スペック | OS | 利用条件 |
---|---|---|---|
ブロンズ | 1vCPU(1300MB RAM) 25GB(HDD) |
windows 2012/2016 LINUX |
口座残高2000ドル以上 毎月往復5Lotの取引 |
シルバー | 2vCPU(2700MB RAM) 50GB(HDD) |
windows 2012/2016 LINUX |
口座残高3000ドル以上 毎月往復7Lotの取引 |
ゴールド | 4vCPU(5120MB RAM) 75GB(HDD) |
windows 2012/2016 LINUX |
口座残高5000ドル以上 毎月往復10Lotの取引 |
ゴールドプランは、国内の有料VPSで利用するなら3000円以上はかかる内容のものになるよ。
このように無料VPSのサービス自体は海外FX業者の中でも非常に優れたものとなっています。
しかし、本業の海外FX業者としての評判としては「信頼性・安全性は海外FXの中でトップクラス」だけど、スプレッド広め、ロスカット水準が高めとマイナス条件も多いので、絶賛しておすすめできる海外FXとは一概に言えないところに落ち着いています。
つまり、Traders TrustでFXをやらない限り、この無料VPSを利用する価値は無いってことでいいのか?
どこの海外FX業者の無料VPSでもそうだけど、特にTraders Trustは、この業者でFXをやらない限りは無料VPSを使う価値はないよ。
FBS
FBSは入金ボーナスの水準が業界No1で、レバレッジも最大3000倍のものが利用でき、仮想通貨取引も行っている海外FX業者です。
このFBSでも以下の条件を満たすことで無料でVPSを利用できます。
- 口座開設後に450ドル以上の1回の入金(入金確認後1ヶ月間無料でVPSを利用できる)
- 毎月3lot(30万通貨)以上の取引を行う (2ヶ月目以降の条件)
※2番目の条件にはビットコイン(BTC/USD)の取引は含まれないので注意してください。
無料VPSを継続して使い続けるための条件である、毎月の取引量の条件に関してはFXをやるなら比較的軽い条件となっているよ。
国内ではVPSの無料お試し期間はあっても永久無料はない
国内のVPSでは長期間(数ヶ月)以上無料でVPSを使える会社はありません。
あくまで、利用登録時に10日~最長1ヶ月の無料利用期間が用意されているだけとなります。
ただし、無料期間中での退会を認めている会社もあるから、短期でなら無料でVPSを利用することは可能だよ!
- ConoHa VPS (クーポン利用で無料期間30日 無料期間中の解約OK!)
- さくらのVPS (無料期間14日 無料期間中の解約OK!)
- ABLENET VPS (無料期間10日)
- WebARENA(SuitePRO V4) (無料期間20日)
上記4つの中でWebARENA(SuitePRO V4)以外は、無料お試し期間が可能となっています。
そのため、短期間(10日前後)のお試し利用であれば、国内のVPSサービスを利用するのがおすすめです!
VPS初心者がお試し利用するなら、初心者でも使いやすいConoHa VPSがおすすめだよ。
逆にABLENETの「SuitePRO V4」最小プランは月額8000円以上かかる法人用のVPSサービスで、無料期間中の解約はできないため。間違ってお試し目的で利用しないよう注意してください。
海外のVPS無料プランは一切信用できない
海外では、FX業者のように入金などの条件も一切なく、個人情報とクレジットカードなどの支払登録だけで、VPSを永久無料で使えるプランを用意しているところもあります。
しかし、HOST1FREEという会社を除き。他は全てスパムサイトであり、当然VPSを無料で使えるわけもないので、絶対に登録しないようにしてください。
ここでは、2015年~2019年までに僕が聞いたことがある、海外の無料VPS会社で実際にVPSを使えるか確認した結果を紹介するよ!
HOST1FREE
HOST1FREEは、問題だらけでまともVPSサービスとしての運用は絶望的でしたが、スパムサイトではなく。一時的にでもVPSを無料で使えるだけマシなサイトでした。
僕も数年前に1度利用したことがあるけど、利用3日目にcronで数MBのファイルをいくつか転送しただけで、なぜか規約違反となってアカウント削除されたんだ。
それ以降は、いくら無料VPSでも使えなさすぎることに絶望して再利用はあきらめたよ。
まとめでなくても、VPSを使えるだけマシってのが悲しいな。
ちなみに、現在はHaphostと名前を変えて、有料VPSサービスをやっているため。無料のVPSプランは無くなっています。
Haphostは有料なのでVPSを使えることは保証されているのでしょうが、わざわざ日本から元がいわく付きのVPSサービスを使う必要もないため。お金を出してまで使うメリットはないでしょう。
値段も最低プランで5$なので、国内格安VPSと比べて特別安いとかのメリットもないよ。
VPS.me
VPS.meはアカウント登録作業がとても面倒なうえ、携帯電話のSMS認証まで必要なスパムサイトなので、当然VPSを無料で使わせてくれるわけもなく。
超絶面倒なアカウント登録の後に「無料枠の空きは無い。だから有料サービス申し込んでください」と催促してくれサイトです。
このメッセージを見たとき。
「だったら、初めから無料枠で登録できるようにしておくなよっ!」と、ついツッコミを入れてしまったよ。
スパムサイトだから、これが当たり前なんだろうが、本当にひどいな!
これでもまだ無料VPSをエサにしたスパムサイトではマシな方だよ。
うへぇ、これよりひどいサイトがあるのかよ!
Linux VPS for Free
Linux VPS for Freeは、アカウント登録の過程でウイルスと思わしきソフトのインストールが必須となる、スパムサイトです。
一応、ソフトをインストールした後にVPSの接続情報が送られてきましたが、当然のごとくVPSに接続して利用することはできませんでした。
あまりにもひどすぎて、なにも言えないぜ!
本当にそうだよね。でも、これが海外のVPS無料プランを用意しているサイトの当たり前の姿なんだよ!
GratisVPS
GratisVPSも登録途中で、Human Vertificationと称してウイルスソフトをインストールさせようとするスパムサイトです。
試しに使い捨てのVPSを作って、このソフトをインストールしてみましたが、VPSを無料で使えるところまで行くことは当然できませんでした。
Woomhost
Woomhostは、かつて20人の友達を紹介するとVPSの無料プランを利用できるとしていた、3jellyサイトと5jellyサイトの生まれ変わりです。
いうまでもありませんが、当然Woomhostもスパムサイトなので、20人の友達紹介してもVPSの無料プランを使わせてくれることはありませんでした。
もはや、ねずみ講と言っても許されそうな気がするぜ。
Woomhostになってから20人の友達紹介制は無くなりましたが、トップページで無料と表記しておきながら、初めにドメインを取得しないとVPSは使えない仕様となっており。
しかも、ドメイン取得料金はしっかり取るようになっていたので、実質無料ではありませんでした。(.comドメインで8.99$)
この先は試しませんでしたが、3jellyの前例から考えると、ドメインは取得できるかもしれないがVPSは恐らく使えないものと思われます。
既に閉鎖された海外のVPS無料サービスをやっていたサイト
ここで紹介するものは、VPSを無料で使える(らしい)けど、すでに現在(2019年1月時点)閉鎖されているサイトとなります。
- TheFreeVPS
- FREE-HACKS2013.NET
- YO CATS
一応調べてはみたけど、これら全部スパムサイトだったから、当然VPSを無料で使えるわけがなかったよ!
まあ、個人情報と支払登録をするだけで、VPSを無料でずっと使わせてくれるところなんて、あるわけないってことだな!
そうだね。登録しただけで、なんの条件も無くVPSを長期間(数ヶ月以上)無料で使わせてくれる会社なんて存在しない!
これだけ覚えておいてくれればOKだよ。
永久無料のVPSでマイニングはおすすめできない
ここまでVPSを無料で紹介できるところを読んで、GCP-GCEや海外FXなどの利用するうえでデメリットがない永久無料のVPSであれば。
ビットコインを生み出すマイニング(採掘)で稼ぐことができるんじゃないか! VPSはずっと無料だし。
このように考えられる方もいるかと思いますが、国内海外問わずほとんどのVPS業者で、VPSを使ったビットコインのマイニング行為は禁止とされています。
ビットコインのマイニングはVPSサーバーのリソースを常に消費し続ける行為で、他のVPS利用者に迷惑をかけるから禁止されているんだ。
そのため、GCP-GCEや海外FXの無料VPSでマイニングをやっている事が運営元にバレたら。VPSインスタンスの強制停止や強制退会処分となりますので、VPSでビットコインのマイニングは絶対にやらないで下さい!
マイニングについては「禁止と知りませんでした」では、済まされない行為だから、VPSを使うなら必ず覚えておいてね。
まとめ
長期間VPSを無料でデメリットなしに使えるところの紹介はいかがだったでしょうか?
デメリットなしで長期間無料で使えるVPSは、FXメタトレーダーの常時運用やVPSのお試し利用でしか満足に使えないものがほとんどです。
そのため、以下のような目的で長期間無料のVPSを使うことは、はっきり言っておすすめできません。
- サイトを作っての運営(webサイト)
- アプリケーション開発用のサーバー
- ゲームサーバー
- プロキシーサーバー
- チャットボット
もし、これらの目的でVPSを使うなら、国内の有料VPSサービスを使うことをおすすめするよ!
以下の記事に2019年1月時点でのおすすめVPSをまとめてありますので、よろしければご確認ください。
そうか。やっぱり、VPSを使ってやりたいことを満足に実現するなら、多少なりとも費用をかける必要があるってことだな!
そういうことだね。
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